奥松島。
世に言う「松島」は瑞巌寺や五大堂、雄島をはじめとした神社仏閣や、たくさんのお土産屋さんを中心とした観光の町です。
元々は「日本三景」として景色を楽しむのが松島だったのですが、江戸時代の初期にそう呼ばれるようになってからは遠くからも人が集まるようになり、今ではすっかり人跡を探訪する土地になりました。
もちろん、歴史を感じる神社仏閣巡りや楽しいお土産選びも松島の醍醐味です。でも、せっかく松島に来るなら、江戸の人が日本で三つの眺めに入ると言った松島の景観も楽しんで欲しいなぁと思います。
松島の景観を楽しめる場所はいくつかあるのですが、中でも松島四大観と呼ばれる「幽観・扇谷」「偉観・多聞山」「麗観・富山」「壮観・大高森」から見る松島湾は格別と言われています。
奥松島はそのうちの一つ、「壮観・大高森」がある場所で、松島湾を東から一望できます。大高森について詳しくは以前オルレを一巡りしたときの記事に書きましたので、興味がある方は是非ご覧になってみてください。
しかし、奥松島にはオルレ以外にも見所があります。なぜならこの場所は西側に松島の内湾、東側に太平洋の外海があり、全く違った眺めを同時に楽しめるからです。
西の内湾は波の静かな海のため、多くの島々が浸食されずに残っています。いわゆる「松島」の眺めがこちら側ですね。
一方、東の外海は太平洋から強い波が打ち寄せるため、波の浸食によって島が少なく、太平洋と松島湾を隔てる宮戸島自体も浸食を受けて荒々しい景観を形作っています。
普通の土地ではここまで大きな違いは出ないのですが、松島地域の地盤は浸食に弱い脆い岩質でできているため、こんなに大きな違いができたのだそうです。
とは言っても、陸地からではこの眺めは見られません。特に東は外海側から見る必要があります。このため、奥松島では外海の海食崖を巡る遊覧船が運行されています。
遊覧船乗り場はオルレのスタート地点と同じ「あおみな」にあります。ここで乗船券を買って、すぐ近くの桟橋から船に乗ります。
遊覧船の名前は「嵯峨渓遊覧船」です。外海側の海食崖は「嵯峨渓」と呼ばれているためにこの名がついているのですが、実は嵯峨渓も日本三大渓に数えられる風光明媚な場所です。
奥松島は西に日本三景、東に日本三大渓を擁する土地なんですね。
遊覧船とは言っても船自体は小さなものです。これは奥松島近辺の海の深さが平均2mと浅く、特に外洋側では暗礁が多いため、小回りのきく小さな船でないと回れないからです。
船が小さなぶん海が近く、さらに船のスピードも速いため、特に子どもは大きな船に乗るよりもテンションが上がるかも知れません。
ただし波には弱く、日によっては外海まで回れない事もあります。その時は内海を回るルートで運行しますので、乗り場で確認してみてください。
外海に出られる場合は、野蒜地区と奥松島地区を隔てる潜ヶ浦水道を通って外海に出ます。
すでに書いたとおり、嵯峨系は波の浸食でできた海食崖で、南北2kmに渡って荒々しい白砂の断崖が続きます。迫力たっぷりの眺めなので、是非実際の目で見て体験することをおすすめします。
奥松島には立派な神社仏閣はありませんが、人の営みを感じさせる人跡もあります。それは里浜貝塚です。
オルレコースの途中にも貝塚の貝層観察館がありますが、貝塚の歴史を見て楽しめる「奥松島縄文村歴史資料館」もあります。
里浜貝塚は全国最大の規模を持つ大きな貝塚で、6,000年前から焼く4,000年の間人々が暮らしました。
当然それだけ長ければ貝層も厚くなり、ところによっては6mもの深さで貝層ができているそうです。
縄文村では出土品の展示の他、日によっては火起こし体験もできます。2021年現在はコロナウィルスの影響で体験会は中止されていますが、展示を見るだけでも価値がありますので是非遊覧船と合わせて訪問してみてください。
遊覧船乗り場のあるあおみなや縄文村は最寄りの野蒜駅から離れていますが、自転車で移動すれば15分程度で移動できます。
レンタサイクルもありますので、使ってみてください。レンタサイクルは下のリンクから事前に予約もできます。
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