石巻最大のお祭り、川開きが始まったのは、
今からちょうど100年前の1916年8月18日。
町の繁栄に役立てようと経済協会が中心となって
「石巻川開祭協賛会」を結成。
北上川を改修し、石巻の港を開いた
川村孫兵衛(かわむら・まごべえ)に対する報恩感謝祭として開催されました。
同時に、石巻の各地域で開催されていた
「川施餓鬼」(水死者の霊を弔う儀式)を統一した供養祭や
花火大会、流燈なども行われました。
しかし、1918年には米騒動のため中止となり、日本はまもなく戦時下へ。
川開き祭りが復活したのは、実に終戦翌年の1946年。
その3年後の花火大会で、
数十年ぶりの尺玉が打ち上げられた時はどんなにうれしかったでしょう。
1950年には、行事を一般市民からなんと、賞金付きで募集。
その結果、陸上行事では仮装行列、七夕祭り、動物景品付き納涼市、山車、競輪、
芸妓手踊り、のど自慢、水上行事では、懸賞屋形船、タライ競漕、水上大山車等が開催。
その後、子供みこしも初登場となりました。
その後、川開きの行事は洗練されていき、
1970年代には現在にも続く大漁おどりや孫兵衛競漕も採用。
陸上、水上のいたるところで、常に何かが開催されている
見どころ満載のお祭りとして定着していきました。
【数々の苦難を乗り越え、続けてきた街の誇り】
しかし、この100年の間には、戦争以外にも開催の危機が何度か訪れました。
1960年には、チリ地震津波で大きな被害を受けながらも開催。
1978年には、宮城県沖地震であえなく中止……。
そして、2011年の東日本大震災。
石巻市民はあの年の夏も、川開きを開催することを決断しました。
規模は大幅に縮小せざるをえませんでしたが、
祭りの開催が人々の心を少しでも上向きにし、
一致団結して険しい復興の道を共に歩いていけるように。
そして今、100年前の先人たちが始めた川開きは、
復興途上の石巻を強烈に照らす光となってくれています。
100年後の街を元気づける……。私たちも、そんな先人たちの思いに続きたいですね。
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