東松島の野蒜地区は、3.11の震災で特に被害が大きかった地域の一つです。

あまりにも被害が大きすぎて、電車の駅ごと町が高台に移転しました。このとき残った小学校を使って作られた施設がKIBOTCHAです。

元小学校というからどんな感じなのだろう？と思って行ってみたところ、室内に予想外の改造が施されていて驚きました。

今回はこのKIBOTCHAの様子をお伝えします。

KIBOTCHAの元になったのは旧野蒜小学校の校舎です。震災の時には1階が丸々浸水し、体育館に避難していた人たちも津波に襲われてしまいました。体育館は取り壊され、今残っているのは校舎だけです。

広い校庭がそのまま駐車場になっていて、車で行っても止める場所には困りません。

正面向かって右側がKIBOTCHA本体の入り口、左側が食堂の入り口で、もちろん食事だけ食べることもできます。

食堂「森のKitchen」では定番のカレーや定食類の他、東松島市ならではのラーメンも提供しています。それが「東松島長寿味噌牡蠣ラーメン」。東松島長寿味噌というのは、東松島市の大塩地区に工場を持つ仙台味噌の老舗です。その昔は高砂長寿味噌という名前でしたので、こちらで覚えている方も多いと思います。

また、牡蠣は言わずと知れた奥松島の名産品です。全国的には「松島の牡蠣」として有名ですが、牡蠣の養殖が盛んなのは松島でも北側の奥松島地区なんですね。

牡蠣の土手鍋、なんて料理があるように、牡蠣と味噌の相性は抜群です。それはラーメンにしても変わらず、とてもおいしく食べられました。牡蠣も写真で見えている以上にたっぷり入っていておすすめです。

さらに、季節によっては屋外でバーベキューや芋煮、牡蠣焼きを楽しめます。こちらは開催時期が限られていますので、施設に確認してから訪問する事をおすすめします。詳しい紹介やお問い合わせはこちらから。

旧小学校の中は1階が大きなお風呂、2階がレクリエーションスペース、3階が宿泊施設になっています。

まず1階のお風呂ですが、温泉ではないものの総槇の木作りの浴場には木の良い香りが漂い、とてもリラックスした気分になれます。さらに追加料金を支払えば全身リフレッシュできる酸素浴も使えます。宿泊しなくても日帰り入浴ができますので、たっぷり遊んだ帰り、特にすぐ近くの海で遊んだ後にはおすすめです。

2階は遊びや体験をできる場所になっています。特に目を引くのは防災の体験学習ゾーンです。体験学習というといかにも堅い感じがしますが、ここはそんな事はありません。

ほとんど遊具にしか見えないような設備で、様々な体験をできます。この手のものは屋外設置が多いですが、KIBOTCHAは屋内設置なのがミソ。雨が降っても体験できますので、子供たちには喜んでもらえること間違いなしです。元々小学校だったことを生かし、広い教室をいくつもつなげて作った大きな設備なので、長時間遊んでも飽きません。

その隣にある工作室は、KIBOTCHAで体験できる様々なアクティビティのための設備の一つです。ウォーターバイクに乗ったり、牡蠣むき体験をしたりと屋外のアクティビティもありますが、工作はこの部屋で行います。都会で生活しているとまず使わない道具にも触れられますので、是非アクティビティに予約をして来てみてください。体験できるアクティビティの一覧はこちらから確認できます。

3階は宿泊スペースです。2階とは逆に教室をいくつかのスペースに区切って落ち着ける空間にしてあります。2名から8名まで泊まれる部屋が用意してありますので、人数に応じてお部屋を選べます。

さらに、屋内だけでなく屋外で泊まれるスペースも用意されています。テントはあらかじめ設置されているグランピングタイプで、手ぶらで来てもバーベキューやテント泊を体験できます。キャンプ体験したいけれど、自分でテントを買って建てられるのか不安、という方には特におすすめできます。

このKIBOTCHAでも震災の教訓を学べますが、もっと詳しく資料を見たいという方にはすぐ近くの旧野蒜駅舎を使った東松島市震災復興伝承館がおすすめです。

館内に展示されている写真や資料なども勉強になりますが、この伝承館は津波の被害を受けた野蒜駅のプラットホームがそのまま残されていて、その生の姿を見る事が一番勉強になるかも知れません。

旧プラットホームから慰霊公園方面を見ると、その向こうに移転した新野蒜駅と野蒜ヶ丘が見えます。これだけ大きな被害を受けてもめげずに生き続けている人間の力強さを感じられるのも野蒜地区の良さかも知れません。

別の記事で紹介している奥松島クラブハウスもこのすぐ近くです。どれも訪問して欲しい場所なので、是非野蒜地区に立ち寄ってみてください。

もし震災の復興に少しでも力を貸して頂けるなら、是非「石巻エリアファンクラブ」に登録をお願いします。様々な特典もありますので、詳しく知りたい方はこちらからご確認ください↓