この記事は、ほや雑煮を広めてくれる皆様の紹介記事です。
今回は、石巻市立桜坂高等学校さんの紹介です。
石巻の「ほや雑煮」は、
農林水産省のSAVOR JAPANおよび文化庁の100年フードに認定されています。① SAVOR JAPANとは、食と食文化に基づくインバウンド誘致を目的とした地域の取り組みを農林水産大臣が認定し、その地域の食の魅力を「SAVOR JAPAN」ブランドで海外に対して一体的かつ強力にPRすることで、増加するインバウンド需要を農山漁村に呼び込むことを目指すものです。
② 100年フードとは、文化庁が我が国の多様な食文化の継承・振興を図ることを目的とし、地域で世代を超えて受け継がれてきた食文化を「100年フード」と名付け、文化庁と共にその継承を推進する取り組みです。
私たちの学校、【石巻市立桜坂高等学校】は令和6年度に創立10年目を迎えた宮城県内の公立高校で唯一の女子高校です。
宮城県北東部に位置し、石巻市日和山にある校舎からの眺めはとても素敵です。
一学年普通科4クラスで、学励探求コースとキャリア探求コースがあります。
「さくらほや」プロジェクトの発端は、家庭総合の授業でお雑煮について学び、各家庭によってだしや具材が違うことを知り、さらには各県によっても様々なお雑煮があることを学んだからです。
そんな授業を受けている中、「ほや雑煮」が「100年フード」に認定されたことを知り、石巻地方で昔からたべられているこのほや雑煮について、多くの人に知ってもらい、この伝統食を後世に繋げたい、広めていきたいと思い、研究を進めることにしました。
ほや雑煮について調べていくうちに、石巻観光課でも100年フードに選ばれた「ほや雑煮」をもっともっと広めていくことを考えているという話を聞きました。
その話を頼りに、石巻市観光課(現在は、石巻市政策観光課)にプロジェクトに関して相談したら、なぁ~んと、石巻市 斎藤市長の「おらいのほや雑煮」のレシピを見せていただきました!!
また、石巻市出身でほやドルとして活躍されている萌江さんは、動画で「ほやのさばき方」やほや雑煮の作り方を載せているなど、多くの情報をいただくことができました。
次に、私たち家庭クラブ役員独自に雑煮に関するアンケートを本校の1・2年生に実施しました。
方法は、グーグルクラスルームで行いました。
雑煮アンケート結果は、次の通りですが・・・正直、「ほや雑煮」が本当に宮城で食べられているのか心配になりました。
なんとなく、しょんぼりした気分にもなりましたが、気を取り直して、「ほや雑煮」を「ほや」と「雑煮」に切り分けて、地元だから知ってるでしょ!という固定概念を外し、「それぞれをまず知ろう!」と考えました。
私たちは、もっと「ほや」のことを知るために、石巻市牡鹿谷川浜の鮫浦湾でほやの収穫体験を実施しました。そこで、ほや漁師の渥美貴幸さんに出会いました。
長靴に履き替え、ライフジャケットを身に着けた私たちを、渥美さんは船に乗せていただきました。
まず、ほやの稚魚をみました。
さらに沖へ船が進むと3年物のほやがあり、収穫の様子を見学し、その後、私たちは機械ではなく、1個ずつ綱(つな)からほやを外しました。手に取った時、グロテスクな形に驚きました。
実は、写真ではよく見てみましたが、実物をしっかりと見つめたことがなかったため、「これは本当に食べれるの?」と不思議な思いを抱きました。
そんな不思議な思いとは裏腹に、渥美さんは、ほやについて、貝ではないことやうま味・酸味・苦味・塩味・甘味の5味があることなど、知っている知識を沢山教えてくれました。
実物をしっかりとみたこと、知らなかったことを知るよい機会となりました。
そして、いよいよむき方です。皆さんはほやを食べたことはありますか。むいたことはありますか。
やり方を教わり、私たちも一人ずつ挑戦です。切るとプイーと水がはじけてきて服に掛かりました。硬い殻のため、包丁でうまく切れませんし、ホヤについている糞を包丁でうまくとるにはコツがいりました。
四苦八苦しながら、不思議な思いをした食材をせっせと剥き、塩水で洗い流したら、終了。
もはや、すでに不思議な思いは消え、なんの躊躇いもなく、そのまま食べることがました。
味は・・・おいしかったです。
実は・・・剝き方は1種類だけじゃないんです。
蒸しほやのむき方は、さっき塩水で洗い流してそのまま食べたやり方とは違いました。どのように説明をしたらよいか、むき方で精いっぱいだったので、「あぁ違うんだ」としか理解できませんでしたが、鍋で蒸したものを、すぐ食べたら、おいしかったのも記憶にあります。
色々お話を聞いていくと、「生はだめでも蒸しホヤはおいしい」と言って食べる方もいるので、初めてほやに挑戦する方は、もしかしたら、「蒸しほや」から食してもいいかもしれません。
また、ほやはカロリーやコレステロールが低く、鉄や亜鉛などのミネラル分が豊富なヘルシー食材ということも分かりました。タウリンやグリコーゲンも含まれ栄養面でも注目を集める食材です。
健康は食事から!と考えている方には、取り入れてほしい食材だと感じました。
ほや雑煮を一通り学んだとき、「他県の雑煮も食べてみないと「ほや雑煮」の良さや違いなどは、分からないよね~」なんて家庭クラブ内からボソッと感想がでました。
ボソッとした独り言だったのですが、家庭クラブ内でアンケートを取ったら、やっぱり「富山県のえびが入った雑煮が食べたい」という具体的な回答がありました。
なぜ、「富山県のえびが入った雑煮が食べたい」という声が上がったかというと、雑煮を研究している粕谷浩子さんや石巻市観光課(現在は観光政策課)とともに雑煮について学ぶ機会があり、その時に例えとして挙がった雑煮の一つだったのも、具体的な回答につながったのかな~と思います。
「食べたい!!」という声があがったので、さっそく、調理・試食してみましたら、えびのだしがきいていいたし、他県味を知ることができたし、いい事だらけでした。
他県の雑煮を食べ、改めて自分たちの地域の伝統の味「ほや雑煮」に挑戦してみることにしました。
ただ、誰も食べたこともないので、料理するにも本当に美味しくできるか不安ではありましたが、出来上がった「ほや雑煮」は、だしがきいていて、美味しかったです。
雑煮ばかり食べていたので、別な料理にも挑戦したくなったので、「ほやパスタ」「たこ焼き~ほやバージョン~」を作りました。
「ほやパスタ」は、玉ねぎやシソをふんだんに入れ、めんつゆで味をつけたさっぱりとしたパスタに仕上げました。
「たこ焼き~ほやバージョン~」は、トッピングを普通のたこ焼きと同じにしたので、ほやが入っているのが分からないように、そして、とろけるチーズをたっぷり入れたので、ほやが苦手な人にも食べれるような味でした。もし、ほやが余っていて、困っている時は、「たこ焼き~ほやバージョン~」がおススメです。
そんな感じに、ほや料理を作りにつくり、経験を重ねて、「ほやっほー祭」のイベントで「ほや雑煮」を100食提供することになりました。
具材は、大根・人参・ごぼう・干しシイタケ・凍み豆腐・切り餅
トッピングは、のり・なると・シソ・蒸しほや
味付けは、しょう油・酒・塩
だし汁は、殻付きほやを蒸した汁・干しシイタケ
100食の提供だったので、シンプルにしました。
シンプルだけあって、食べた方から「海の潮の香りがスープに溶け込んでいて美味しかった」との感想を貰えて、とても嬉しかったです。
そんなこんなで、ほや雑煮を普及させる活動を2023年度から始めていたら、「文化庁主催の100年フードサミット」に参加でき、自分たちの活動を発表する機会を持てました。
そして、感謝状も貰うことができ、自分たちの努力が認められた気がして、とても嬉しかったです。
今後も、伝統的な料理をたくさんの人に広めていけるように、これからも活動をしていきたいと思います。
石巻市立桜坂高等学校 家庭クラブ
私たちの作ったレシピを公開中です。もしよかったら、作ってみて下さいね!!
♥ ほや飯(https://www.umimachi-sanpo.com/feature/hoyameshi/)
♥ ほや雑煮/宮城 (https://www.umimachi-sanpo.com/feature/hoyazoni-miyagi/)
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