石巻圏で温泉と言えば、道の駅上品の郷に併設されているふたごの湯、それから女川駅構内にあるゆぽっぽなんてあたりが有名です。
でも、石巻には80年の歴史を誇る温泉宿があります。それが追分温泉です。まるで時代が止まったかのような山奥の温泉宿をレポートします。
追分温泉は北上川から津山に抜ける峠道にある温泉宿です。名のある峠ではなく、交通のメインは北上川沿いを走る国道45号線と海に抜ける県道のため、道はとても細く、曲がりくねっています。
道幅も狭いので、最近流行の大柄なSUV同士だとすれ違えないかも知れません。所々に待避所があるので、ゆっくり安全運転で走ることをお勧めします。
北上川側、津山側、どちらから行っても距離はあまり変わりませんので、周辺のどこに寄るかでルートを決めると良いでしょう。
日本三所の秘仏とも呼ばれる柳津虚空蔵尊や、南三陸町のさんさん商店街を回る場合は津山側から、震災遺構の大川小学校や、受験の神様である釣石神社を巡る場合は北上川側からのアクセスがお勧めです。
もし、寄り道をせずに、まっすぐ追分温泉へ向かう場合は、【三陸道河北IC】を降りて、【国道45号線を河北方面】へ、その後【県道197号線】経由して向かうと、運転もしやすいと思います。ナビを設定する場合は、【三陸道桃生津山IC】を示すようですが、ナビの指示通り行くと、車が1台しか通ることができないくねくねした山道を登り、「こんな峠道なの!?」と感じるかもしれませんし、対向車が来たときに、苦労するかもしれません。運転が得意な人以外は、ぜひ、河北ICをご利用ください。
峠道に関して、狭い道ではありますが、待避所を利用してバスでの送迎も行っているそうです。今まで事故なく安全に通行しているので、あまり恐怖になる必要はありません。 |
道の途中には他の施設は全くありませんので、間違いない道さえ走っていれば見落とすことはありません。レトロではありますが大きい建物です。
もちろん、コンビニや商店などもありませんが、ちょっとした小物やおつまみ、お菓子などは、売店で購入ができます。そのため、こだわりのものが必要という以外は、揃うような品揃えです。
でも、ほとんどの場合、食べ物は買う必要ないでしょう。なぜならこの宿の最大の魅力はとても美味しく、ボリュームたっぷりの食事にあるからです。
食事の紹介の前に館内の様子に触れておきます。入り口正面には受付がありますので、入ったらまず受付を済ませましょう。この時車のナンバーを聞かれるので、覚えていない場合はメモしていく事をお勧めします。
受付の右手は売店です。どちらかというと館内で食べるものというよりもお土産屋さんとしての品揃えになっています。夜は早めに閉まるので、早めに確認するといいでしょう。
売店の反対側に歩いて行くと宿泊棟がありますが、部屋に行くまでは渡り廊下でいくつかの建物を渡っていきます。
途中のゲームコーナーには、今や懐かしい「ワニワニパニック」がありました。
薪ストーブの置いてある角を右に曲がると宿泊用の部屋です。泊まる人数に応じて部屋の大きさは変わりますが、どの部屋も昔ながらの簡素な湯地場、というたたずまいです。
冷暖房完備ですが、自然に囲まれた山奥です。自然に生きている虫たちが遊びにくる場合もありますし、思っていたよりも、熱く感じたり、寒く感じたりする場合もあります。気温の変化に敏感な方は、備えをすると良いかもしれません。大半の方は、問題なく、過ごしているそうです。
食事は一番遅い時間で18時00分からのスタートです。温泉までの細い登り道は思ったよりも時間がかかりますので、時間に余裕を持って移動してください。
追分温泉は、宿泊料金の違いはそのまま食事代の違いになります。大人は7千円台~11,000円まで選べるほか、子ども用の食事は3千円台で用意してもらえます。この金額で宿泊料込みです。
東京あたりだったら食事なしのビジネスホテルでも日によっては泊まれないかも知れない位の大バーゲンプライスですが、食事を見るともっと驚くはずです。
なにせ最上級の海の幸てんこ盛りなのですから。
峠の宿なのに海の幸、というとちょっと違和感を覚えるかも知れませんが、そんな心配はありません。追分温泉のある峠は北上川と海に挟まれた場所にあり、石巻魚市場も近くにあります。
このため、出てくる海産物はどれも素晴らしいものばかり。
下の写真を見てもらうと分かるように、新鮮な地元の食材をふんだんに使った料理には、圧倒されます。
(お刺身など海の幸は、水揚げ状況により、内容が大きく変わる場合もありますので、予めご了承ください。)
さらに天ぷら、しじみの土瓶蒸し、茶碗蒸し、海鮮グラタン、ひじきの炊き込みご飯と、あります。文章にしていない小皿も何品かあるので、小食な人なら完全にギブアップでしょう。
お子さま用のメニューはカレー、ハンバーグ、エビフライと、こちらも子ども大好きメニューが揃います。ボリュームも多くて、一緒に行った小学校3年生の娘は食べた後完全に動けなくなっていました。
ようやく食べ終わった、と思って油断していたら、最後にデザートのアイスが来ました。
ここで甘いのはもう無理、と思ったものの、アイスは自家製の「ふきのとうアイス」ほどよく苦くて、さっぱり食べられました。もちろん、ちょっと大人の味なので、子ども用にはブルーベリーのアイスが出てきましたよ。
筆者が頼んだのは宿泊費込み11,000円のコースでしたが、口コミサイトを見てみると、どのコースでも豪華だという書き込みが多く見られます。
嘘偽りなく本当にそうに違いありません。もちろん、一番良いプランで食い倒れるのもお勧めです。
お風呂は宿泊棟の更に奥にあります。
追分温泉は元々この近くにあった鉱山から出たお水が源泉です。源泉の温度は少し低いそうで、ボイラーで温めてから風呂に張られています。
大浴槽は樹齢500年の榧の木を使ったという総木製で、お風呂場の床も全部木でできています。今時こんな雰囲気のあるお風呂はなかなかありません。
浴槽は二つで、一つは底から泡の出る浴槽、もう一つは普通の大風呂です。大風呂はだいぶ温度が高いため、熱い風呂が苦手な人や、ゆっくり長く使っていたい方は泡風呂を使うと良いでしょう。
日帰り入浴もできますが、せっかくここまで足を伸ばすなら、一泊してゆっくり温泉を堪能するのがお勧めです。
また、館内にはMIYAGI Free Wi-Fiが飛んでいます。このため、ワーケーションやリモートワークの拠点としてもお勧めできます。
何せ周りには何もありませんので、部屋に入れば仕事をせざるを得ません。様々なものがあふれる現代において、仕事の邪魔をするものが何もないこの場所は、大事な仕事にじっくり取り組むにはうってつけの場所だと言えるでしょう。
朝ご飯はよく見る温泉の朝ご飯でした。ご飯、味噌汁、香の物、鮭。夕ご飯がとても豪華なので、朝はこれくらいで十分でしょう。
お風呂は深夜以外は入れるので、朝起きたらご飯の前にお風呂に行っても、ご飯の後チェックアウト前にお風呂に行ってもOKです。
朝風呂は、湯舟に差し込む朝湯です。とってもきれいです。夜の灯とは別に、水面の光は最高ですので、ぜひお試しください。 |
ここだけ時間が止まったかのような、不思議で落ち着ける温泉宿です。是非一度これをご覧のあなたも訪問してみてはいかがでしょうか。
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※ネットからのご予約は、1名11,000円のプランのみとなります。予めご了承ください。
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